
DONGREEのコーヒー焙煎
(フジローヤル 半熱風式焙煎機 R-101)
職業としてコーヒー焙煎に取り組む場合、プロファイルは重要です。
再現可能な焙煎レシピとして。共同作業の指南書として。または新たなコーヒー豆に取り組む場合の参考データとして。
もちろん、あくまでもデータで、それが全てではありません。
長年の経験を積み重ねて、感性を研ぎ澄ませていく手仕事としての焙煎は、一焙煎士として目指したい高み。
その高みにのぼるためにも、コーヒー豆の『そもそも持っている特徴』というものを知り、その変化を捉え、変化する仕組みを知り、その上で自らの感性を混ぜていく。
DONGREE COFFEEROASTERSでは、果実の種であるコーヒーの自然の甘みと、火を使うローストという『料理法』ならではの香ばしさのバランスを大切にしています。
酸味も苦味も、フローラルさもロースティさも、コーヒーを美味しく伝えるために、できる限りデザインして焙煎に挑む。
安定した手法よりも、理論と感性で一期一会の自然の恵みとしてのコーヒーを仕上げる。
人の営みがつながる、手仕事と顔の見える経済を担うものとして、とても大切に思っています。
その具体的な手法について、ここでご紹介します。
焙煎をしない人にも、こうした情報を公開することで、スペシャルティコーヒーの幅広い味わいのこと、それが海を超えた世界中の手仕事に循環する価値になっていくこと。
かつてスペシャルティコーヒーを取り巻く、豊かさを自ら作ろうとする人々のクラフトマンシップに刺激を受け、人生を救われた1人の人間として、ただの飲み物で終わらないコーヒーの豊かさと愉しさを伝えたいと思っています。

焙煎機
フジローヤル R-101(1kg) 半熱風式 2019年モデル
DONGREE のローストスタイル
コーヒー豆の加水分解と脱水分解のタイミングから、
酸質と糖質のバランスを生み出す焙煎。
コーヒーは果実の種。フルーティで良質な酸こそがコーヒー本来の味わいとも言われています。
だけど生のままではもちろん口にすることはできない。
『ロースト』という熱を使った料理でしか、味わいは生まれない。
フルーツの種を美味しくローストをする。
そんなデリケートな製造過程をベストなバランスで仕上げるため、
DONGREEでは『可能な限り人の手を加える』という、
安定とは真逆の焙煎手法にたどり着きました。
苦味も酸味も柔らかに。
個性と美味しさの両立を目指して、自然の甘味を引き出す焙煎を心がけています。
COFFEE LINEUP







五焙 gobai

DONGREE COFFEEROASTERSでは、コーヒーの特徴とその引き出し方を『5つの焙煎スタイル』で追求し、その違いと共に、コーヒーの多様な味わいを楽しんでいただける焙煎屋であることを大事にしてきました。
現在は、そのスタイルは、より繊細な焙煎へと変化しましたが、原点とも言える五焙のプロファイルもまた、DONGREEのコーヒーを伝える上では欠かせないこととして、ご紹介いたします。
※現在の五焙は、不定期で『同一銘柄のコーヒー豆を5つのローストタイプで煎り分ける』という限定商品として提供しております。
提供時期や詳細についてはSNSやWEBサイトの記事などをご確認ください。

五焙プロファイル01
華 HANA
浅煎り-Light Roast
平均焙煎時間:9分
平均焙煎終了温度:187℃
コーヒーの持つフルーティなアロマとフレーバーを引き出すプロファイル。甘みを伴ったフレッシュな果実感を引き出すため、ドライ〜メイラードフェーズでの高温強排気と、クラック直前での伝導熱の緩和によって、最小限のローストで仕上げる焙煎進行。

五焙プロファイル02
柔 YAWRA
中浅煎り-Medium Roast
平均焙煎時間:12分
平均焙煎終了温度:190℃
果実感と、コーヒーの"コク"のあるマイルドな味わいを程よく調和させたプロファイル。スピーディなドライフェーズによるアシデティ(酸味特性)が、甘みへと変化する途上での十分なメイラード反応がポイント。

五焙プロファイル03
誠 MAKOTO
中煎り-High Roast
平均焙煎時間:11分
平均焙煎終了温度:193℃
コーヒーの中庸的な味わいを豊かに引き出すプロファイル。ドライフェーズでの十分な加水分解と、メイラードフェーズの遅すぎず速すぎずの脱水分解をバランスよく進める焙煎。

五焙プロファイル04
遊 YU
中深煎り-City Roast
平均焙煎時間:10分
平均焙煎終了温度:196℃
果実感を残したまま、苦味とコクがしっかりとしたボディ感で味わえる、コーヒーの複雑でユニークな部分を引き出すプロファイル。水分を残したまま各フェーズへの進行速度と内圧で"遊ぶ"ことを意識的に行う焙煎。

五焙プロファイル05
重 JU
深煎り-Fullcity Roast
平均焙煎時間:12分
平均焙煎終了温度:200℃
十分なコクと苦味の中にキャラメライゼーションの甘さも引き出す王道プロファイル。RoRを低めに保ちながら、入念に焙煎進行させ、苦味をネガティブに残さない十分な排気と煎り終わりタイミングがポイント。
コーヒー屋としてのDongreeの始まり
DONGREE COFFEEROASTERSの前身である、『Dongree コーヒースタンドと暮らしの道具店』
京都東山の一角にある町屋を改装した小さな個人店で、Dongreeは店舗営業を始めました。
そのお店では、京都五人の焙煎職人によるコーヒー豆を扱い、コーヒーの種類ではなく、コーヒー焙煎屋さんの顔で選び、そして一杯ずつ目の前で丁寧にドリップする、"顔のわかる手仕事"としてのコーヒーを提供していました。
Dongreeのコーヒーの原点には、そんな五人のプロフェッショナルの手仕事があります。

